外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会②

投稿者: | 2014年12月27日

 

タイトルは②なのですが3回目の検討会議事録について、流れに沿って思うことを書いてみました。

 

第3回の議論内容と所感

第3回の議題は以下の通りになっています。

技能実習について
(1)移転対象となる適切な業務内容・範囲の明確化
(2)必要なコミュニケーション能力の確保

【斜め文字は議事録より抜粋】

技能実習への介護分野の追加については、日本再興戦略で年内を目途に検討し、結論を得るとされていることを踏まえまして、制度の趣旨に沿って検討を進めていく。具体的には、主に以下の点について検証した上で追加の可否やあり方について結論を得ることが必要ということでございます。1つ目が「追加するとした場合の実施内容及び方法はどのようなものか」、2つ目が「技能実習制度の抜本的見直しとの関係をどのように考えるか」という2点です。

 まず1点目についてどのように考えていくかということにつきまして、「1.追加するとした場合の実施内容及び方法はどのようなものか」ということでございますが、介護分野を業種として追加するとした場合には2つの要件を満たすことが必要と考えられます。1つは共通要件「移転の対象となり得る技能であること、適切な技能評価システムが構築されること」、これは介護に限った話ではなく、技能実習に業種追加をされる場合の共通的な要件という意味です。

 2つ目は介護固有要件ということでございます。こちらは「対人サービスである介護分野を追加する場合に必要な制度設計がされ、運用が担保されること(日本語要件等)」と書かれています。ここは日本再興戦略でも、対人サービスという介護の特性を踏まえて日本語要件等について検討するということが明記されておりますので、こちらを踏まえたものとなっております。

現状の技能実習制度は基本的に「日本語能力をほとんど必要としない業務」ばかりでしたが、介護業務となるとそうはいきません。サービスの対象であるお客様はもちろんのこと、同僚とのコミュニケーションにおいても日本語能力が求められるのは間違いありません。結局のところこの「日本語能力をどの程度求めるのか」によって、技能実習生として受け入れる、受け入れないの判断がなされるように思います。個人的にはそもそもこのような形での受け入れは反対です。

そもそもこの介護分野への追加ということについて連合としては、問題があると考えています。技能実習制度自体が多くの問題を抱えている制度であるということでありますし、介護は要介護者の生命、身体にかかわる職業でありますから、日本語能力によるコミュニケーションが十分とれない労働者が増加するということになれば、やはり認知症高齢者のケアに十分対応できないなどの問題があるのではないかということで懸念を持っていることについて、表明をさせていただきたいと思っています。

その前提にたって、意見を申し上げますが、資料1の1ページの1.にありますとおり、この要件を課して、これらが克服できないようであれば対象業務に介護を加えないということについて、これはこのとおりでいいのではないかと思っているところであります。

この内容を読む限りでは、事業者側としては基本的に技能実習生としての受け入れに前向きではなさそうですね。続いて以下のことが述べられています。

現在の技能実習制度全体に共通する問題でありますけれども、抜本的な見直し議論が行われていると聞いております。「技能実習制度の見直しに関する法務省・厚労省合同有識者懇談会」というものが行われたようでありますけれども、この2.にありますとおり、技能実習制度の抜本的見直しの内容等を踏まえつつというのが一つの大きなポイントであります。基本的には懇談会でどのような見直しの方向が進められているのか、。本来であれば、取りまとめを待って本検討会で議論を行うのが筋ではないかと考えているところであります。

これはごもっともな話で、もしこの検討会でOKの判断をしたとしても、そもそも技能実習制度自体が変わるとか、無くなるとかいう話になれば、この検討会での話は全くの無駄ということになりますよね。そういう意味では何も考えてないのか、何も変えないけど形式的にやっていると勘繰りたくもなります。

技能実習生に対して日本語要件を設定するならば、どの程度のレベル、内容を求めることとすべきかという点でございます。この点は2つございまして、まずEPAのほうでは、日本語の要件というのは制度上ありません。ただ、EPAの枠組みやEPAの受け入れ施設対象のアンケート結果を参考にしますと、日本語能力試験N3のレベルを求めることが考えられるのではないかということを示しております。

この点に関しまして、まず11ページをごらんください。基礎資料のほうにも入っておるかと思いますが、EPAの介護福祉士候補者の受け入れ施設が求める日本語能力に関しまして、アンケートの結果で受け入れ施設の約9割がN3レベル以上を求めているということがございます。こういったことを踏まえてN3レベルというのを考えていくのが1つの考え方としてあるのではないかということをお示ししております。

技能時修正にN3レベルを求めるとすると、事前研修を従来より長期間やるしかない気がします。そもそもその程度日本語ができる人がおおぜい技能実習制度で日本で働きたくないでしょうし、私も身近な人には勧めていません。

前回のヒアリングでも事業者さんもN3レベル以上必要だと考えていると言われておりましたけれども、介護の業務全てを任せるという形になると、N2以上でないと引き継ぎであるとか、利用者さんへの説明であるとか、もしくは非常時や例えば転倒事故が起きたときとか、そういうときになかなか対処が難しいということもありますので、それを踏まえますと介護業務を任せられる日本語レベルはN2以上ではないかと思います。

中にはN2レベルを求める意見も出ているようです。当然日本語能力が高い方ができる業務も増えますし、現場の日本人労働者の負担軽減につながることもあ間違いありません。現場の負担も加味しないと、あまり日本語ができない技能時修正が増えることで現場が混乱したり、不満が増加して日本人スタッフが退職したり定着しないといった悪循環を生みかねません。

 

日本語要件はどうなるのか?

今回の検討会でだいぶ突っ込んだ議論がされていたようですが、私としては一番気になるのが「どの程度の日本語能力を求めるのか」というところです。

既にEPAから候補者生を受け入れている施設でおおむねN3は最低ラインとして意見が出ているので、そこで落ち着くのかなと思っています。あとはそれに対してどのようなスキームで受け入れるのか、ということになるでしょう。

もともと日本語をある程度学んでいた人ならともかく、まったく日本語を学習していなかった人が日本で介護を学びたいと考えてもN3レベルを聞いてあきらめる人もいるでしょうし、日本語学校等へ行く等事前に自国で自己投資をする資金もなくあきらめる人も出てくるかもしれません。主に来日してもらうのは基本的にまだ貧しい国の人が多いわけでそのあたりもどうなっていくのか今後の議論が気になるところです。