外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会③(中間まとめ)

投稿者: | 2015年2月5日

 

 

現在行われている、「外国人介護人材受け入れの在り方に関する検討会」の議事録が3回目以降なかなかUPされないと思っていたところ、先に「中間まとめ」が発表されていました。主に自分が気になった部分について記載しています。

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中間まとめの気になる部分抜粋

【斜め文字は議事録より抜粋】

検討にあたっての基本的な視点
・技能実習:日本から相手国への技能移転
・資格を取得した留学生への在留資格付与:専門的・技術的分野への外国人労働者の受入れ
・EPA:経済活動の連携強化を目的とした特例的な受入れ
他方、2025(平成 37)年に向けて、最大で約 250 万人規模の介護人材を確保するには、国内の人材確保対策を充実・強化していくことが基本であり、外国人を介護人材として安易に活用するという考え方は採るべきではない。

まず、今回検討している介護に関しての外国人受け入れ方法の確認です。基本的には国内人材の活用を前提としたうえで、それでも不足することが考えられるため、外国人の介護人材の必要性を検討会では話し合われています。

 

(2)介護分野における外国人の受入れの検討に当たっては、指摘されている
様々な懸念に対応するため、次の3つの点について適切な対応が図られるような在り方について検討する必要がある。
(ア)介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること
(イ)外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者
の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること
(ウ)介護は対人サービスであり、また、公的財源に基づき提供されるもの
であることを踏まえ、介護サービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること。

(イ)については、すでに技能実習制度が不適切であることが国内外から指摘されています。現在この制度自体の見直しも行われているようですが、その見直しが完了する前から受け入れスキームを作るのは順序が違うのでは?と感じます。
(ウ)については、介護は日本語を使ったコミュニケーションが求められますし、もしサービス上のトラブルがあった場合、相手の命にかかわる可能性もあります。そのため他の農業や漁業といった業務に従事している技能実習生とは求められる内容が高度になることは確実です。その結果受け入れの処遇においても十分に配慮しなければなりません。

 

○ 他方、技能実習制度本体の見直しでは、制度の趣旨・目的に沿った技能等の修得・移転が確保され、かつ、技能実習生の人権確保が図られるよう、制度の適正化に向け、
・確実な技能等の修得・移転(制度趣旨・目的の徹底)
・監理団体による監理の適正化及び公的機関による監視体制の強化等
・技能実習生に対する人権侵害行為等への対応の強化
・送出し機関への規制の実効性の強化等の見直し方策が検討されている。

上記内容が技能実習制度についての検討事項のようですが、今までできなかったことが果たしてどの程度できるのか、と思わずにいられません。

そもそも技能実習生として来日し帰国した人の中で、どのくらいの人が修得した技能を活かして仕事をしているでしょうか。少なくともインドネシアで会った元研修生は誰も日本で学んだ(働いた)事を活かして生活していません。そもそもその仕事が無ければ活かす場所もないわけです。

 

3 技能実習への介護職種の追加について
(2)職種追加するとした場合の個別の検討事項について
イ 具体的な対応の在り方
・ 現在、技能実習制度の対象職種において、技能実習生に日本語能力の要件を課している例はないが、介護分野においては、一定の日本語能力を要件とすべきである。介護分野の技能実習制度における日本語要件については、
‐ 技能を学んで帰国することを前提とする技能実習制度の性格(国家試験の受験・合格による国家資格取得と引き続き我が国で就労できることを目的とするEPAとの違い)
‐ 段階を経て技能を修得するという制度の趣旨から期待される業務内容や到達水準との関係を踏まえ、技能実習生に求められる日本語水準と担保の在り方を考える必要がある。
・ したがって、日本語能力試験「N3」程度を基本としつつ、業務の段階的な修得に応じ、各年の業務の到達水準との関係等を踏まえ、適切に設定する必要がある。

具体的には、1年目(入国時)は、業務の到達水準として「指示の下であれば、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践できるレベル」を想定することから、「基本的な日本語を理解することができる」水準である「N4」程度を要件として課し、さらに、「N3」程度を望ましい水準として、個々の事業者や実習生の自主的な努力を求め、2年目の業務への円滑な移行を図ることとする。また、実習2年目(2号)については、到達水準として「指示の下であれば、利用者の心身の状況に応じた介護を一定程度実践できるレベル」を想定することから、「N3」程度を2号移行時の要件
とする。

結局受け入れに当たり一番大きな壁となるのが、この「日本語能力要件」になるのは間違いありません。制度自体は決まってしまえば運用はできますが、じゃあその制度に則って来れる人がどの程度いるのか?これは蓋を開けてみなければわからないのではないでしょうか。

現在私はインドネシア国内の日本語学習者がいる大学を訪問し、主に先生とお会いして日本語学習者の日本語習熟度に関しての情報収集をしています。地域や日本語ネイティブの先生がいるかによって違いはあると思いますが、大学で専門的に日本語を学習している人でさえ、全員がN3を取得しているわけではありません。N4を習得するためにも最低1年以上真剣に日本語を学習する必要があります。

ですから技能実習生として日本で介護の仕事をしたいという人達が、事前にそこまでの日本語能力を身に着ける努力をするのかどうかというのが疑問です。受け入れにあたっての待遇が他の業種よりも魅力的であるとか、何か介護の仕事で日本に行きたいと思わせる施策が必要でしょう。

独学でN4を取得する人もいるかもしれませんが、基本的には送り出し期間や日本語学校等で事前に日本語を学ぶことが考えられますし、そうすると来日前にお金が必要となります。そのためある程度余裕のある人でなければ、そもそも介護を選ばない可能性も考えられると思います。

あくまでもインドネシアについての話ではありますが、ターゲットとしている東南アジアの若い労働者がいる国はそれほど状況は変わらないでしょう。

個人的には現在構築している日本語人材がいる大学とのネットワークを通じて、大学学習者の日本語習熟度についてもっと情報収集をしていきたいと考えています。

4 外国人留学生が介護福祉士資格を取得した場合の在留資格の付与等について

(1)具体的な制度設計等について
○ 今般の在留資格の拡充の対象となる者の範囲については、「日本再興戦略」改訂 2014(平成 26 年6月 24 日閣議決定)において、「外国人留学生」が、「日本の高等教育機関を卒業」した場合と明記されていることを踏まえ、該当する分野の専門的な学習を行うこと及び国家資格を取得することが求められることから、介護福祉士の国家資格取得を目的として養成施設に留学し、介護福祉士資格を取得した者とすることが適当である
○ なお、在留資格を認められることとなる介護福祉士資格を取得した外国人の就労場所については、「専門的・技術的分野」の一つとして、介護分野の国家資格取得者に在留資格が付与されることを踏まえ、日本人と同様に就労を認めるべきである。

一方、単独でサービスが提供されることが基本となる訪問系サービスについては、外国人労働者の人権擁護や適切な在留管理等の観点も含め、慎重に検討する必要があるとの意見、将来的に就労を認めるべきとの意見もあった。
○ 外国人留学生が介護福祉士資格の取得を目指す場合の適切な指導・学習の体制については、介護福祉士養成施設で受入れる留学生の人数は、教育指導や実習受入れの観点から、看護師等養成所の運営に関する枠組みも参考にしつつ、個々の教育機関の状況に応じて、介護を学ぶ学生の各学年定員の上限を定めるべきである。また、当該留学生の教育及び生活指導をサポートする指導員等を配置するのが望ましいとの意見があった。
○ 上記の考え方を踏まえ、今後、関係省庁と連携の上、具体的な制度設計を進めるべきである

現在EPAで来日して介護福祉士の資格を取れば、実質的にずっと日本で生活することが可能です。そして、今回は、EPAルートで来日していない人にもその道が開ける可能性があります。単純労働としてではなく「専門的、技術的な仕事である」と解釈され、日本人同様の就労が認められるようになるようです。

しかし、日本の養成施設に留学して介護福祉士資格を取得するかというハードルはやはり高いと思います。ですからこの内容が適用される人数はそれほど多くないと考えられます。EPA含めやはり日本間まだまだ移民政策に関しては消極的であることがうかがえます。

以上ここまで中間まとめの気になる部分を抜粋して考えを書いてみました。

これからはEPAの受入に関しての議論が行われるようですので、引き続き検討会の動向のチェックをしていきたいと思います。