35歳転職限界説は昔の話になっていく

投稿者: | 2014年2月15日

即戦力採用の重要性が高まっている

先日下記の記事を読みました。

“35歳転職限界説”が崩壊? 転職した人の平均年齢[Business Media 誠]

上記記事の中に、
・平均年齢は2008年以降右肩上がりに上昇し、29歳から31歳と5年間で2歳上昇
・35歳以上の割合が10%から23%と2倍以上増加
・「中途採用マーケットにおいて、即戦力のニーズが高まっている」
・景気やマーケットの変動が激化する中、事業展開のスピードを加速化するために、
必要なスキルやノウハウを習得している経験者を社外から確保する企業が増えた
との記載があります。

確かにリーマンショック後顕著になっていると思いますが企業間競争が日に日に厳しくなる中で、
短期間に会社に利益をもたらす人材の獲得することが非常に重要になっています。
記事のデータ集計結果はその内容が数字に反映されています。

即戦力採用=中途採用です。そして会社の人件費は決まっています。
お金は勝手に湧いてくるものではありませんので、
中途採用で人件費が増えた場合は他のところで増加コスト分を調整する必要が出てきます。

そしてその調整されるところは「新卒採用」となることが多いと考えられます。
お金だけの問題で考えれば他の予算を削減することもできますが、
人数の調整も含めて検討されるため新卒採用人数がその分減ることが多いです。

 

新卒一括採用という日本の特殊性がなくなっていく

日本は新卒一括採用により大量にまだスキルのない大卒の若い人材を採用し、
入社後の教育や職務経験を通して人を育てることが一般的でした。
入社間もない数年間は会社に貢献していなくても教育して後で回収するという考え方です。

しかし企業間競争が非常に厳しくなっている昨今、
悠長に教育し数年後にその投資を回収すると言ってられない企業も増えています。
金銭的にもそして企業をとりまく環境変化により時間的な余裕がありません。
その結果企業は入社後短期間で結果を出すことを期待して「中途採用」を増やします。

欧米ではそもそもスキルがない学生を卒業時点で採用し、
徐々に会社に貢献できるよう教育を行っていく、という考えは基本的にありません。
それは「職務給」による賃金制度が一般的だからです。

つまりこの仕事に対しては給料は○○円と「仕事」に対して賃金が決まっているということです。
その仕事ができなければ採用される余地がないわけです。
賃金の決め方は日本における「時給」の仕事をイメージするとわかりやすいかと思います。

一方で日本は「職能給」による賃金制度をとっている会社が多いです。
そのため新卒採用で入社してもすぐに会社に貢献できるわけではありませんが、
将来のポテンシャルを含めて「人」に対して賃金が支払われています。

いわゆる「年齢給」が採用されているのもその特徴のひとつで、
勤続年数が増えることでその人の業務や社内で必要な能力が身につくので賃金が上昇する、
という考え方であり必ずしも具体的な仕事に対して賃金が設定されているわけではありませんでした。

長期雇用を前提としている日本の職能給制度がドラスティックに職務給に変わることはないと思います。
しかし、仕事に対して賃金を設定するという考え方を取り入れる企業は増えるでしょう。
そうしなければ年齢が高くなるにつれて賃金が比例して高くなる職能給では高コストとなってしまいます。

 

新卒と中途の立場が代わる

新卒での就職はひとつのブランドであると言われます。
実際新卒で就職できなかったために留年することが数年前に話題になりました。
しかしこれは今までの日本だったから起こったことです。

これからは新卒であっても中途と同様に「何ができるのか?」を求められる時代です
それは新卒採用と中途採用の垣根がどんどんなくなっていくということです。

中途採用者と同じ土俵で戦うために在学中または卒業後に企業でインターンシップで経験を積み、
一定のスキルを身につけた時点で就職活動を始めることができることになります。
これは新卒者にとってはどんどん厳しい時代になっていくことを意味します。

逆に中途採用者にとっては今までより採用枠が広がるわけですから、
仕事によってスキルを身に付け経験を積んでおくことができれば、
今まで以上に転職で仕事をする機会を得られる可能性があるということです。

冒頭の記事はこのことがだんだんと現実に反映されていることを示していますし、
「35歳定年限界説」という表現をされることはなくなっていくでしょう。
年齢を重ねれば重ねるほどスキルや経験が蓄積されるわけですから、
35歳を超えてからでも即戦力として転職する機会も増えてくるということです。

 

先を見据えたキャリアを考える

年齢を重ねるほどスキルや経験が蓄積されると書きましたが、
日々の業務を漫然とこなしているだけで時代の流れで転職しやすくなることはありません。

新卒一括採用自体は縮小してもなくなるわけではないでしょうし、
門戸が開くことにより多くの転職希望者が出てくると思われます。
ですので結局のところは他者との競争に勝った人だけが転職に成功するわけです。
そのこと自体は35歳転職限界説があるときから変わりません。

ただこれからは35歳を超えても今まで以上に転職しやすい環境になるわけですので、
転職を考えるなら自分に必要なものは何なのか?自分ができることは何なのか?
ということを一層しっかり考えながら仕事をするべきだと思います。
業務だけでは身につけられない不足スキルがあるのであれば、時間を割いて身につける必要があります。

 

「雇用」をとりまく環境は少しずつ変わってきていると感じます。
「限定正社員」、「解雇規制緩和」、「有期雇用期間の上限」等、
様々な雇用に関わることについて議論が行われるようになってきました。
やっとか・・・、という印象も否めませんがそれでも変わり始めたことは実感してます。

私個人としてはこの変化はチャンスとして捉えています。
このチャンスを活かすためにもこの留学中に何をすべきか、しっかり考えて実践していきたいと思います。