介護福祉士国家試験 EPA介護福祉士候補者の試験結果

投稿者: | 2014年3月27日

 

第26回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果

本日厚生労働省より、「第26回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果」について発表がありました。

 

厚生労働省:第26回介護福祉士国家試験におけるEPA介護福祉士候補者の試験結果 経済連携協定(EPA)に基づく外国人介護福祉士候補者78名が合格

内容を見てみますと、
第26回介護福祉士国家試験結果
第26回介護福祉士国家試験結果の内訳

まず①の資料を見ますと、全受験者の合格率が64.6%。そしてEPA候補者全体の合格率は36.3%。内訳は初受験者が54.1%、再受験者が12.9%となっています。全体の合格率とEPA対象者の合格率の差は30%近くある状況です。

そして更に国別、年度別の結果内訳がわかる②のインドネシアの内容を見てみますと、今年全体の合格率は43.0%で、内訳は初受験者が57.1%、再受験者が16.2%となっています。全体的にフィリピンよりも数字が高いです。とはいえそれでも全体の合格率と比べると合格率は20%近く低いです。

試験の漢字にはフリガナがふられるようになったり、疾病名等への英語表記、試験時間の延長(1.5倍)といった特例措置が取られているとはいえ、まだまだ合格率は低い状況と思われます。制度開始時は日本人と同じ条件の試験だったわけですから、そもそも合格させる気がなかったとしか思えません。

インドネシア人の今年の合格率は上記の43.0%です。まだ全体の合格率よりも相当に低い訳ですが、EPAで来日しているインドネシア人は皆さん非常に頭の良い優秀な方達ばかりです、それでもこの合格率なのです。現在は事前にインドネシアでの日本語教育が始まりましたが、アルファベット言語の人達が訪日前に6ヶ月日本語研修を受け、日本に来日後に半年の日本語研修、その後は受け入れ施設で仕事をしながら日本語はもちろんのこと、介護福祉士の国家試験の勉強もしなければなりません。そして3年後に試験を受けることになり、その今年度の結果がこの数字ということです。

もし私が全然勉強をしたことがない言葉の国に行き、語学をやりながら普通に働いて試験に合格しなければならない、しかもその試験は一般的な人にとっては難解で聞いたことない言葉もある。さらに3年後不合格ならば原則として帰国しなければならない。そのような環境にいた場合恐らくずっと合格できるかの不安を抱えながらの生活になるのではないでしょうか。あるいは仕事と勉強の両立は相当ハードですから疲れ果て、勉強を放棄してしまうかもしれません・・・。

そう言う意味でももっと長期的な滞在を認めるですとか、一層配慮を加えた試験を実施するとか、改善は進めてもらいたいと思います。EPAは介護士と看護士に限った話ではないので、違う分野との調整もありこの分野だけで単独の調整はやり辛いところもあるのかもしれません。

しかしそうであれば、そもそも独立した形で受け入れる制度を設けるといったことも可能なのではないでしょうか。仮に合格しなくても4年ほど日本語を学習し、仕事の経験豊富な人が帰国してしまうことは損失です。現場も戦力が抜けて他の人に負担がかかってしまうわけですし、仮に新しい人を受け入れてもスキルも、日本語能力も抜けた人より劣るわけです。

離職率が高い企業を問題視するのであれば、帰国させる(離職させる)制度を国が設けていること自体がおかしいと思います。外国人に対しても同様の考えであるべきではないでしょうか。再受験の制度ができましたが、もっと長期的にチャンスを与えられる形に改善して欲しいです。

日本の少子高齢化は止まらない・・・

内閣府が発表している「高齢社会白書」を見ると日本の将来はどうなるんだろうと思わざるを得ないです・・・

平成25年版 高齢社会白書(全体版)

目次を見ただけでも、「高齢化率が24.1%に上昇」、「少子化の進行による若年人口の減少」、「過去最高となった社会保障給付費」、「高齢関係給付費は引き続き増加」といった言葉が並んでいます。つまり、若年人口が減り高齢化率が上がっていて、高齢者に関わる支出は今後も増え続ける、ということです。日本経済が縮小していき給与も現状維持どころか今後減る可能性が高い中で、社会保険料や税金が確実に増えていくわけですね。

そして今の日本は仕事が無いとかなかなか見つからないという話を良く耳にしますが、実際は仕事自体はあるけれども求職者が仕事を選んでいる状態です。それは数字にも表れています。求人数自体は改善傾向にあります。現状の直近データが下記のものです。

厚生労働省:一般職業紹介状況(平成26年1月分)について

もちろん、経験だとか年齢だとか本人の意思によらないこともあるとは思いますが、介護職は明らかに不人気業界であり就職したい人が少なく人材が定着しない業界と言われています。保険制度により成り立っているため給料が低く生活設計が難しいという国策による理由もあるとは思います。しかし、不人気だからこそ本来は他の職種で不採用であっても、採用されやすいのも事実です。それでもみんなやりたがらないのです。

多くの人達が敬遠しているわけですが、求人が多く誰もやらなければ現在働いている人達にそのしわ寄せが行くことになりますます大変になります。そして今後更に労働者が減り高齢者が増えるわけですからもっと労働力の需要が高まります

介護は誰でも身近な存在ですが、当事者にならないとなかなか事の重要さに気づかないかもしれません。私自身まだ両親が健康なので留学できているというのも事実です。しかし親が倒れてしまった場合、自分が世話できるのか、あるいは施設に預けるのかを考える必要もありますし、自分自身の仕事が続けられるかどうかの問題も出てきます。

少しずつ介護に対する理解が進みつつあるとは思いますが、それでも長期的な職場離脱は会社にとっては負担ですし、介護は先が見えないこともあり復職の見通しが立たないことも多いでしょう。結果介護離職に繋がるケースが今後一段と増えるでしょう、そして介護をする人の年齢で再就職を見つけることは簡単ではないケースが多いでしょう。

 

外国人労働者の受入拡大は避けて通れない

外国人を受け入れるより国内の雇用問題を何とかしろとか、外国人が増える治安が悪化するとか、外国人労働者の受入問題が話題になるといろいろと反対意見が出てきます。実際に政府が国内の雇用問題を解決する施策を打ち出し受け入れる必要がなければ、私はそれはそれで良いと思っています。

外国人労働者の増加により必ずしも治安が悪化するかはわかりません、単なるイメージで言っている人が大多数ではないでしょうか。日本だってこれから貧しくなっていくことで犯罪が増えないとも言えません、体力の弱い高齢者が増えるわけですから暴行事件ですとか、ボケてしまった為等で振り込め詐欺のような被害にあう人が増える事も想定されます。

介護労働力不足の問題は絶対に避けて通れない問題であり深刻です。私は日本人がやらない、やっても人手が足りない以上外国人の方にもっと助けてもらうしかないと考えています。特に現在受入れを開始している、インドネシア・フィリピン・ベトナム(今年の4月から)はもちろんですが、他の国からも受入れざるをえないでしょう。

これらの国の人達は日本で働くことで自国で働く数倍もの収入を得られるわけですし、日本も誰かがやってくれないと困るわけですからWin-Winな関係なわけです。そして私個人としては世界で2番目に日本語学習者が多い国であり、人口2億4千万の若き国インドネシアからもっと日本で働いてくれる人が増えたら嬉しいな、と思っています。

こちらで生活していると、みなさん常ににこやかで、ほとんど怒鳴ったり急いで歩いたりすることもなくのんびりした温厚な性格、そして道ひとつ聞いたときや面識もないのに長々と話し込んでしまうような優しい性格の人達は介護職に向いていると思います。

仮に私が将来介護される立場になったら、乱暴に扱われたり嫌な顔をされながら介護をされるよりも、例え言葉は通じなくても優しくにこやかに介護をしてもらえた方がよっぽど幸せです。別に日本人がそうではないという訳ではなく、言葉の壁の問題があったとしてもできる範囲で手助けしてもらうことは十分に考えられるということです。既に受入れ施設で働いている人がいるわけですから。

このインドネシアにはEPAを通じて介護士・看護士になりたい人だけではなく、日本で働きたいあるいは勉強したいという人達がいっぱいいます。将来彼らの力がもっと必要だと私は考えているので、滞在させてもらっている期間に自分にできることであれば、できる限り役に立てるように日々の生活を送っていきたいと思います。