介護休業の分割取得の検討

投稿者: | 2015年5月9日

 

先日介護休業の分割取得を可能にするための検討を進めているという報道がありました。

(朝日新聞)
介護休業、分割可能に 政府検討、認知症見守りに対応

 

法律は状況により改正される

厚生労働省のHPに介護休業に関する法律が公開されています。
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

介護休業と育児休業は同じ法律の中に規定されているわけですが、どちらも働く人にとっては該当者となった際大きな影響があるライフイベントです。少しでも取得する人が増えるよう今までも改正が行われてきました。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の概要

法律が施行され、実際に取得する労働者がどの程度なのか、実態に合っているのか等を考慮し改正が行われており、その一環として今回も少しでも利用しやすいように、分割取得が可能にできるようにする趣旨です。

 

本当に必要な事は何なのか?

もし予定通り介護休業が分割取得可能になれば、今までは法定の期間未満で終わってしまった分も取得できるようになりますし、意味のある事だと思います。

ただ、私が思うのは「本当に必要な事はもっと根本的な、抜本的な変化なのではないか」という事です。法律云々ではありません。

少子高齢化が進んでいる要因として、子供が預けづらいですとか、女性の社会進出が進んだため、あるいは将来の事が不安といった理由があると言われています。もし子供ができた場合はもちろん子供をどのように育てていくのか考えなければなりません。近くに親が住んでいるなら援助してもらえるのか、何歳から保育園に預けるか、預けられるのか、それに応じて法律で認められている育児休業を基本的には取得するわけです。

主に大企業では法定を上回る期間の育児休業取得を可能にしたり、本来無給で良い休業期間に賃金を受ける事ができたり、育児休業が取得しやすいよう制度の内容が充実しているケースもあります。

一方介護の方はどうでしょうか。高齢化社会を迎えると言われて久しく、国民もだいぶ実感としてそう思っているとは思いますが、実際に自分がその感興にならない限り、親の介護の事を真剣に考える機会は少ないのではないでしょうか。

私自身も正直親と真剣に話し合いをした事はありません。例えば介護のサービスをどの程度利用するのか、どの施設が良いのか等、目途をつけておいた方がいざという時にアクションが起こしやすいはずです。

家族の一員としてまず上記の事を考える事がありますし、そしていち労働者として考えなければならない事もあります。いざ親の介護が必要となった場合、家族が全てお世話できれば良いですが、もし自分自身が手伝わなければならない状況になった場合仕事をどうするか、これは必ず考えなければならない事です。何かしら自分自身が手伝う必要があるのであれば、休業取得を含め会社がどこまで理解してくれるかを事前に知っておく事は重要です。

私がとても懸念しているのは、育児は終わりが見えますが介護に終わりは見えないという事です。育児は子供の成長というポジティブな側面がありますが、介護の場合基本的に良くなる事はありませんしどうしてもネガティブな感情にもなります。そして終わりが見えないという事は会社や仕事に与える影響が自分自身でもわからない、という事です。

法律上介護休業と言うものが認められており、社会にも高齢化問題の認識が浸透してきていますから、ある程度ここまでは…という範囲で理解は得られると思います。しかし、仮に会社が法律上の義務を全うした場合に、すべて労働者の希望を受け入れてそれに応じてあげる義務はないわけです。

労働者としても終わりが見えない以上会社に提案をするのも難しいと思いますし、何よりこのままでは会社に迷惑をかけると考え自主退職をする人はいるでしょう。介護に携わる人が増えれば確実にその数も増えると思います。介護離職も実際に増えているようです。

そして最終的に介護が終わったとしても、基本的に介護する立場になる年齢は40代とか50代ですから、もし退職した場合、また同程度の待遇で仕事を探すのはかなり厳しいと思われます。相当なスキルや経験を持ち合わせていない限り待遇が悪くなるのはやむをえません。もし正社員を希望するのであれば、その枠で採用されるだけでも良い方ではないでしょうか。

今後高齢化は増々加速し、日本人に人気のない介護業界の人材が更に不足します。そうすると預けたくても預け先が無く家族で世話をしなければならず、結果として休業等仕事に支障をきたすという事になるでしょう。介護分野に技能実習生の受入がはじまったとしても、その効果がどれ程のものかまだわかりません。

基本的に親がいる人たちにとっては避けて通れない問題ですが、その深刻さを実際に理解している人がどの程度いるのかと思っています。今回の改正があって救われた!と言える人はいないとは言いませんが、効果は微々たるもののように思えます。

 

もっと効果的な環境を創るには

個人的には法律改正といったいわばテクニック的な対応には限界があると思います。とはいえ合法的にドラスティックな取り組みが個人的にできるのかというと、それはもちろん簡単ではありません。

私は今まで自分でも何かしら対応できる方法はないかと考え、その実現に向けて現在少しずつアクションを起こしています。最近インドネシア人インタビューを行っているわけですが、その事とも関係があるからこそ行っています。

まだ自分でも具体的にイメージが固まっていませんが、結局介護の必要性が生じた時に仕事を休む必要がある、仕事に影響があるという事になる理由は、人が足りないから自分がやらざるを得ないという事です。ですからそれを別の人が問題なく対応できる状況があれば仕事は今まで通り続けられる可能性があります。少なくとも自分自身が介護をするよりはそれに割く時間を減らす事は可能なはずです。

現在それが介護施設であったり、デイサービスであったり他人の労働力によって自分の負担が少なくなっているわけです。そしてそれを利用する場合それに対して対価を払っているわけです。

私の考えの場合ももちろん他人の力を借りる事がベースなのでそれに対して何かしらの対価を準備しなければなりませんが、必ずしもそれはお金そのものである必要はないのではないかと思っており、あとはそれは理解してくれる人なのか、そうでないのかという結論になると思います。

ここまでお読みいただいてもさっぱりわからないと思いますが、このまだ漠然とした自分の中にあるイメージ。これを大々的に発表できるように今後も地道にひとつひとつやるべき事を積み重ねていこうと思います。大きな変化は例え作れなくとも身近な人がそれで救われる、そのような事ができればいいなと思っています。