資格を取ると貧乏に?取得過程で得たものを活かすことが大事

投稿者: | 2014年3月23日

 

最近「資格」に関する話題を多く耳にするような気がします。


資格を取ると貧乏になります (新潮新書)

このような本が発売されたこともあると思いますし、また今の日本の経済環境が大きく影響しているのは間違いないでしょう。仕事を得るために資格を取得する、この考えは以前の私の考えですのでとても良くわかります。

現在34歳、そして既に日本で正社員として5つの会社で勤務をしてきました。これまでの仕事と転職活動においては資格抜きで語るのは難しいかもしれません。一応社会保険労務士資格有資格者として、「資格」に関して考えていることを書きたいと思います。

 

資格取得を考えた経緯

PROFILEにも書いた通り私は大学卒業時に新卒での就職をしませんでした。やりたいことがこれと言って明確ではなかったのが一番の理由です。そしてその後何をするでもなく、だらだらと大学時代から続けていたアルバイトに通う日々でした。しかしその生活もこのままではいけないかな?と考えてとった行動。それがまさに資格取得の勉強でした。

そしてその後無事「宅地建物取引主任者」に合格し不動産業界に就職できたわけですが、いろいろあってて不動産業界で勤め続けることを諦め、その後「社会保険労務士」を取得して人事や社会保険労務士事務所での勤務経験を経て、今何故かインドネシア留学をしいるという状況です。

この資格を取るということに対する私の根本的な理由は、客観的な基準をクリアしていることを証明するため、②自分の進む道を方向付けるためであったと思います。

①客観的な基準をクリアしていることを証明するため
新卒で就職せずにアルバイトとして1年半ほど卒業後も勤めつづけましたが、リーダー的なポジションではありましたが結局はアルバイトの身。具体的に得られたスキルはこれといってなく、長く勤めていればほとんど誰でも身につくようなスキルしかありませんでした。

既に同年代の人の多くは新卒で就職して正社員として働いている中、当然自分としては出遅れているという焦りはありましした。それであれば、「私はこの能力(知識)があります」ということを客観的に証明できるものを準備しよう、ということで資格取得を目指すことにしました。

結果として不動産会社に入社できましたし、未経験ではありましたが人事として採用されたのも資格取得が効果的であったと思っています。人事として採用された会社の方は結果発表前でしたが自己採点では合格点を上回っている説明をし、実際に合格していました。仮に合格していなくても取得を目指して努力をしている、知識や能力を得ようとしている姿勢はプラスに評価されるでしょう。

②自分の進む道を方向付けるため
アルバイトとして5年程務めていたものの、その業界に就職したいとは思っておらず、その他にやりたいこともこれといってない状況でした。就職するのであれば会社を探す必要があり会社は星の数ほどあるわけです、何となく就職しようと探すだけでは、なかなか行きたい会社を見つけることは困難です。

そのため資格を取得することで方向付けもできるだろう、と考えました。そして「宅地建物取引主任者」は不動産に関する資格ですので、当然資格を活かすためにその業界の会社を探して応募することになる、ということです。

今にしてみれば当時の考え方は良いとは思えません、どちらかというと仕方なくそうしたと自分でも思っています。しかし、これは新卒一括採用で就職する多くの人達が同じような感覚を持っているのではないでしょうか?どれくらいの人達がやりたいことを明確に考えて就職活動をしたのでしょうか?現在は大学でキャリア教育も行われているようですが、就職するまでに、就職活動を始める前に仕事に関して考えることは非常に大事なことだと今は思っています。

もちろん現在の仕事が自分に向いていて将来的にもその状況が好ましい人もいると思いますが、できれば最初から自分はこの仕事でこのようなことをしたい、というものが明確にあった方が望ましいと思います。

このように最初から躓いた私のキャリアの道ですが、ある程度道を絞って一歩踏み出し始められたことは、現在の自分の状況を考えるとこれで良かったのかな、と思ってます。

 

現在の資格(社会保険労務士)に関する考え方、認識

その後、社会保険労務士、そしてその周辺資格でもあるFP、DCプランナーそして語学の必要性を感じてからはTOEICの試験を受験していました。特に社会保険労務士の資格に合格し、仕事を通じて資格を活用していく中で資格に対する考え方が変わっていたような気がします。

社会保険労務士には独占業務というものがあり、その業務は社会保険労務士の資格がある人以外はすることはできないことになっています。ですので、税理士等の独占業務がある資格は取れば安定するですとか、食っていけると言われてきたわけです。つまり法律の規制により守られているわけです。特に税理士や社会保険労務士は企業と月単位で契約する「顧問契約」をすることが業務的にやりやすいこともあり、安定して事業を行いやすいとも言われています。

※社会保険労務士の独占業務
いわゆる1号業務、2号業務と言われているもので、社会保険手続き書類の作成及び届出手続きを指します。また、一般的には業務の範囲として3号業務と言われるものがあり、これは労務相談等の人事労務に関するコンサルティング業務で資格が無くても誰でもできる業務です。

私も社会保険労務士を取得したときは「できたら早く開業して自分の事務所を持ちたい」と思っていましたし、おそらく多くの合格者はそう考えているのではないでしょうか?そのときに役立てられるよう私はFPやDCプランナーの試験を受験して資格取得を続けてきました。

しかし実際に実務に携わる中で、社会保険労務士としての「独占業務」で安定的な収入を得ていくのは今後難しいと感じ始めました。その大きな理由は下記の内容です。
・日本経済自体が衰退していくことで、顧問契約を継続していくことが困難であること
・ITの発展によりアウトソーサーがより安価なサービスを提供し始めていること

社会保険労務士が行う「独占業務」は社内の人間であれば行うことが可能です、別に社会保険労務士に依頼する必要はありません。また、ITが発展してきたことによりより多くのデータを、より早く正確に処理することができ、加えて低コストでサービスを提供できる会社も増えてきました。給与計算を請け負っている社会保険労務士も多いのですが、このアウトソーサーの台頭により顧問契約解除あるいは顧問料減額に繋がるケースも多いと思います。

多くの社会保険労務士事務所では小規模でありコストのかかる投資が難しいので同様のサービスを提供するのは難しいと考えられます。また、行政への手続きは電子申請ができる届出も増えており、外出する時間がないので社会保険労務士に依頼していたが、外出する必要がないなら自分でできる、という会社も今後増えてくる可能性はあります。

ですから顧問契約として支払うお金に見合わない、つまり付加価値がなければ顧問契約の解除の話をされてしまいます、顧問料減額はまだ良い方です。このようなことから「独占業務を売りにして社会保険労務士として独立して食べていくことは非常に困難」だと感じました。それができるのは長年社長と付き合ってきた、ほんの一部のベテラン先生だけではないでしょうか。私達世代はほとんどの人がこの分野のみを売りにして商売するのは難しいでしょう。

 

資格を取得したことは無駄だったのか?

資格を取得するには勉強する必要がありますし、勉強には時間を割く必要があります。他の何かをする時間を犠牲にして勉強の時間に充てるわけです。仕事をしていれば熟練度を上げて自分の人材価値を上げることも可能だったわけです。また、学校に通えば費用がかりますし、働けば逆に収入を得られたわけですから金銭面で一時的に確実にマイナスになります。そのようなロスを考慮して勉強に時間を割く必要があるわけです。

私は社会保険労務士の試験は資格学校に通い、そのための費用も払いました。その他の資格は独学でやりましたが、もろもろの資格の勉強に充てている時間は数千時間になるのではないでしょうか?結果として取得できたのは良かったです、運も良かったでしょう。

これまでちょっと悲観的なことを書いてきましたが、これまでやってきたことは無駄にはなっていないと考えています。自分の進むべき道を真剣に考えるきっかけになったことが一番大きいです。仮に新卒でどこかの会社に就職して働き続けていても、必ずしも日頃の業務からこのように考えるようになったかどうかはわかりません。

 

大事なことは何なのか?

冒頭で紹介した書籍のタイトルは「資格を取ると貧乏になります」です。しかし、別に資格を取った結果貧乏になるのではなく、資格を取ってもその上にあぐらをかいて安心しているだけでは貧乏になります、ということです。私はこの本を読んでませんが、恐らくそのようなことが書かれているのではないのかなと。つまり、今までは資格で守られていた仕事も、法律が変わってしまったり、時代が変われば求められることも変わっていくということです。

私が持っている社会保険労務士資格については、コンサルティング業務ができない人は今後開業して生計を立てるのはほとんどの人が厳しいでしょう、そしてこの分野は資格の有無は関係ありませんので、人事関係のコンサルタントと同じ土俵で戦わなければならないということです、大手企業の人事経験者だったり外資系コンサルティング会社出身の人が競合相手となります。そうすると自ずと社会保険労務士の勉強の範囲外のことについても勉強し、実務経験を積んでいく必要があると考えられます。

よく言われることですが、資格を取ることが目的になってしまわないように、資格を手段として何をしたいのか?あるいは自分がやりたいことに関連する、必要とする資格があるために取得を目指す、という考え方をすべきではないでしょうか。結局資格云々の話というよりは、どのような手段で収入を得るかということに行き着く気がします。資格取得はあくまで収入を得るための手段に至るまでの通過点で手にするものです。

私は今インドネシアにいます、今まで取得した資格は日本でしか通用しないものがほとんどですが、取得までに費やした勉強やその後の資格に関する業務経験を必ず活かせる環境はあると思っています。今まで費やした時間や得られたことは無駄にはなりません、必ず役に立ちます。役に立つように知恵を絞ることが大事だと考えています。この先何をするのか?何ができるのか?をしっかり見据えて日々過ごして行きたいと思います。