「外国人雇用状況」の届出状況(平成27年10月末現在)発表

投稿者: | 2016年1月29日

厚生労働省から平成27年10月末現在の「外国人雇用状況」の届出の提出状況についての発表がありました。この届出は雇用対策法により義務付けられているものです。

「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成27年10月末現在)

 

外国人労働者数過去最高を更新

届出外国人労働者数は907,896人で昨年の787,627人から15.3%の増加となり、平成19年に届出が義務化されてから過去最高を更新したそうです。増加要因としては留学生の受入が進み「資格外活動許可」を得て働く人、「専門的・技術的分野」の資格を取得し働く人が増えたと分析されています。

国籍別で見ると一番多いのが中国で322,545人、次がベトナムで110,013人、その次がフィリピンで106,533人となっています。なお前年比でみると、ベトナムが79.9%増加、ネパールは14,774人で60.8%増加となったそうでかなり増えています。しかしこれほど増加率が高い理由については書かれていません。来年以降も同様に増え続けるのか気になるところです。

在留資格別の割合を見ると「資格外活動」が21.2%、「技能実習」が18.5%となっています。つまり約4割は日本人がやらない仕事を担ってくれるために来てくれている、彼らに助けてもらっている状況とも受け取れるのではないでしょうか。

前年比でみると、「資格外活動」が33.9%増、「専門的・技術的分野の在留資格」が13.6%、「技能実習」が15.7%だそうで、「資格外活動」の増加率が大きいのが良くわかります。

 

気になる「国籍別・在留資格別」のデータ

私が特に気になるのが、「国籍別・在留資格別」のデータです。トップ3の中国、ベトナム、フィリピン。そして特定の資格が多いネパール、そして先進国のアメリカ、イギリスのデータを見てみたいと思います。

■総数 907,896人(以下、カッコ内は労働者数総数に対する当該国籍者の比率)
①中国: 322,545人(35.5%) ②ベトナム: 110,013人(12.1%) ③フィリピン:106,533人(11.7%)
○ネパール:39,056人(4.3%) ○アメリカ:26,376人(2.9%) ○イギリス:10,044人(1.1%)

中国は多いだろうと思っていましたが、アメリカとイギリスがここまで少ないとは思ってませんでした。

 

■専門的・技術的分野の在留資格 167,301人
①中国:72,071人(41.1%) ②ベトナム:7,900人(4.7%) ③フィリピン:4,877人(2.9%)
○ネパール:3,372人(2.0%) ○アメリカ:16,020人(9.6%) ○イギリス:5,929人(3.5%)

これを見て中国が占める割合の高さに驚きました。もっと欧米の国が多くを占めていると思ったからです。イギリスはベトナムよりも人数が少ないですね。日本は外国人労働者の受入は高度人材であれば積極的に受け入れるスタンスです。しかし、欧米の優秀な人達は日本で働く事に魅力を感じていないのかもしれません。

 

■技能実習 168,296人
①中国:85,935人(51.1%) ②ベトナム:43,828人(26.0%) ③フィリピン:15,087人(9.0%)
○ネパール:357人(0.2%) ○アメリカ:5人 ○イギリス:0人

中国の割合が高いだろうというのは予想できましたが、ベトナムが4分の1以上を占めています。同じアジア圏であるフィリピン、ネパールと比較してもその割合はかなり高いですね。これは逆にアメリカが5人いることに驚きました。

 

■資格外活動(留学) 167,660人
①中国:70,680人(42.2%) ②ベトナム:48,620人(29.0%) ③フィリピン:495人(0.3%)
○ネパール:25,048人(14.9%) ○アメリカ:397人(0.2%) ○イギリス:128人(0.1%)

これも中国が多いのはわかりますが、ベトナムが約3割でネパールが15%近くを占めています。特にネパールは技能実習の人数と比較すると、留学できている人達の多さがわかります。欧米からの留学生もかなり少ないようですね。

 

■身分に基づく在留資格 367,211人
①中国:77,426人(21.1%) ②ベトナム:8,060人(2.2%) ③フィリピン:85,021人(23.2%)
○ネパール:2,050人(0.6%) ○アメリカ:9,680人(2.6%) ○イギリス:3,755人(1.0%)

フィリピンは以前仕事で日本に来た際に日本人と結婚した人が多いものと思われますからこれは納得です。ここではご紹介していませんが国別で割合が紹介されているブラジルとペルーは身分に基づく資格が99%を超えていますので、その他の資格を持っている方はほとんどいないようです。

 

在留資格の割合からわかる傾向

資格取得者のうちベトナムは39.8%が「技能実習」、44.2%が「資格外活動(留学)」の資格、ネパールは64.1%の人が「資格外活動(留学)」の資格を取得しており、資格取得者のうち非常に多くの割合を占めています。

日本にはもっと外国人に来てもらう必要があると思いますから外国人が増えている事自体は悪い事ではありません。しかし前回書いた記事のように違法行為をするために滞在するのであれば問題です。(外国人留学生の不法就労を助長)このような事が続くとその国に対する日本人のイメージが悪くなりかねません。

今回のデータを見てみますと偏りがあり、急激に増えているには何か理由があるのではないかと思います。それにしても私が好きなインドネシアが国のみで集計されていないのは残念です。あと何年後かには多くを占めるようになるでしょうか…