インドネシア人、日本人の就労ビザ

投稿者: | 2015年3月8日

 

留学を終え帰国してから約1週間ほどが経ちました。生まれてから留学するまで30年以上生活していた日本、何の違和感もなくすっかり日本の便利な生活を身体も思い出し普通に生活しています。しかしまた夏ごろを目途に再度インドネシアへ行く事を考えている事もあり、ほぼ毎日誰かしらにお会いして情報収集等をしておりました。

 

外国人である以上滞在にはビザが必要

そんな中自分にとって気になる内容を取り上げている記事がありました。

NewSphere 外国人研修生は奴隷ではない “日本の技術学びたい”インドネシアが寄せる熱い期待

今後技能実習生に「介護」を追加して受入れる事について検討が進められていますが、今回の記事を見ると積極的に技能実習制度を利用し、送り出し国として活用する姿勢がうかがえます。本来の制度趣旨としては技術を習得してもらう事を目的としているわけですし、それができるのが望ましい事は当然です。

労働大臣であるハニフ・ダキリ氏のコメントから気になる内容がありました。

以下記事抜粋
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インドネシア政府は、自国へやって来る外国人労働者を締め出すと同時に自国からも出稼ぎ労働者を極力出さないという方針で動いているのだ。

「ハニフ・ダキリ労働大臣は、インドネシアでの就労を望む外国人は必ずインドネシア語をマスターしなければならないと明言。また、外国での就労を望むインドネシア人も同じ条件を課せられていると話した。
(中略)
『もし我が国の国民が日本で働きたいなら、当然日本語を覚えるべきだ。香港ならば広東語を、行き先が中東でもそれは同じだ』。」
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まだインドネシアにいる頃からインドネシアでの就労について英語を母国語としない国の人には、就労ビザの取得にあたりインドネシア語能力が問われるという報道は見ていました。この内容を見る限りではすべての外国人を対象とするような表現に感じます。この事は仮に今後自分がインドネシアで働く場合避けて通れない道となりますから、今後も引き続きインドネシア語の勉強を続ける必要性があるという事です。

これは現在日本から日本人を現地マネジメント等で派遣している場合も他人事ではありません。そのような人でも今後インドネシア語能力が求められるという事です。業務は英語でこなせるかもしれませんが、インドネシア語ができなければそもそもビザが取得できません。また、現地採用で日本人を採用している企業も同様です。

つまり、インドネシア語能力が高い人は今まで以上に評価され、活躍の場が増える可能性があると言えます。現在インドネシアで勤務している人はインドネシア語を学習することが求められます。

また、外国人のみならずインドネシア人にも仕事先の国の言葉を覚えるべき、とのコメントがあります。このコメントからだけではすべてのインドネシア人に対しての発言なのか、特定の手段での人達に向けてなのか判断するのは難しいですが、おそらく外国人同様にすべてのインドネシア人に向けて、ではないかと考えています。

今回の大臣の話が実現する場合、今後いろいろな方面に影響を及ぼすと考えています。例えば、今まで大学等で技術を学んだ学生が日本で働く際に、日本で働きながら日本語を覚えればいいと会社が考えていたとしても、インドネシア側が出国時点である程度の日本語能力を求めてくる必要があるかもしれないという事です。

あるいは技能実習で日本に来る人達も同様です。高卒程度の学歴で日本へ行く人が多いわけですから、当然日本語能力は高くない人が多いわけです。この場合、出国前に送り出し機関側における日本語教育を充実させ長期的に研修を行う、あるいは受け入れ側の日本において教育を充実させる等の対応が考えられるかもしれません。いずれにしても日本語を専門的に学んでいない人達にとっては、負担増になる事は避けられないと思われます。

しかし、これは逆に日本語を大学等で学んでいる人にとってはアドバンテージになるかもしれない方針です。当然日本語能力については学校で学んでいるわけですから、今まで以上に自分たちの能力が相対的に良く評価されるわけです。ただ、日本語能力のみを考慮して日本で就労できるケースは少ないでしょうから、どのように働くか?という点については個人個人考える必要はあります。

 

日本語能力を活かす場は確実に増える

インドネシアも着実に発展してきており、ジャカルタは日本に遜色ないほどに発展しています。そして日本をはじめとする先進国の仕事も入ってきており、日本人と働く人達も増えているわけです。以前に比べれば確実に、より複雑だったり先進的な仕事をするチャンスは増えています。日本語学習者であれば、日本語を使って仕事ができる機会が増えてきているという事です。

一方でインドネシアの日本語学習者がいる大学を訪問しながら感じるようになったのは、「キャリアについてもっと早い段階から考えるべきである」という事です。何故日本語学習を始めたのか、何のために勉強しているのか、将来日本語を使って仕事をしたいのか、どんな仕事をしたいのか・・・。

インドネシアでは日本と異なり新卒一括採用はなく、就職は卒業後に個人で行う事になります。ジョブフェアに参加したり、先生や友人から求人を紹介してもらう事も少なくなりません。しかし卒業間近になってから仕事について考えるのは遅いと言わざるをえません。

今後少子化による労働力が不足する日本においては外国人労働者が増えるのは確実であり、これは彼らにとっても確実に追い風になる状況なのは間違いありません。技能実習制度に「介護」を追加する理由は、人材不足である事が本音なのは間違いありません。

個人的には技能実習制度にて日本語学習者が日本で就労する事はあまり勧めたくないと考えてましたので、インドネシアにいる時もそのように考えていました。しかし、専門能力を評価されてビザを取得する事は私が思っていた以上にハードルが高いようです。

ですから、どうしても本人が日本に行く事を望むのであれば、実情を理解した上で技能実習生として日本へ行く、というのも今後は考える必要があるのかもしれない、と思うようになってきました。ただしその場合でも制度がどのようなものなのか、何が問題とされているのかをきちんと理解する必要があります。

その上で、既に日本語能力あって日本へ行く以上、いっそう語学を上達させる、あるいは技能を習得する気概で来てほしいと思います。ただ日本へ行きやすいから、給料がいいから、といった理由で行っても得られるものは少ないでしょうし、本人の為になりません。

専門的な能力を持つ外国人に対するビザは決して簡単に取得できるものではありません。、急激に緩和されるという事は今のところなさそうです。日本で一定期間働く事が比較的容易な技能実習制度は悪用されているイメージは強いですし、実際いろいろな問題が起こっています。

私は特定社会保険労務士の有資格者でもあります。従業員と会社が双方ハッピーになるような環境づくりをするのもできる事のひとつであると考えています。ですから彼らがより気持ちよく合法的に働くことができ、一度日本に来た方が目標に近づけるというのであれば、それをサポートしていくのもひとつの役目なのかもしれません。

特定社会保険労務士(有資格者)として、インドネシアでの生活経験のあるものとして何ができるのか?

まだまだ状況がはっきりしていない事もあるので、自分の考えをまとめる段階ではないと思いますが、インドネシアと日本がより良い関係になっていくためにできる事を引き続き考えていきたいと思います。