留学生の日本企業への就職

投稿者: | 2015年8月8日

 

インドネシア人留学生へインタビューをすると、その後はどうするの?という話になるのですが、一番答えが多いのは「日本で働きたい」という回答です。

先日法務省より「平成26年における留学生の日本企業等への就職状況について」の調査が発表されており、資料もありましたので内容を見てみました。

 

中国人留学生の圧倒的存在感

この調査では「留学」の在留資格を持つ留学生が、働くため何の在留資格に変更されたが紹介されています。まず、全体として許可(処理)した人数は、12,958人だそうです。前年は11,647人だそうで11.3%増加しています。

特に個人的に気になる項目をピックアップしてみてみたいと思います。

<平成26年の許可状況の国籍・地域別内訳ベスト5>
①中国   8,347人(前年比 710人、9.3%増)
②韓国   1,234人(前年比 7人、0.6%増)
③ベトナム 611人(前年比 187人、44.1増)
④台湾   514人(前年比 154人、42.8%増)
⑤ネパール 278人(前年比 15人、5.1%増)

これを見るととにかく中国の存在感が圧倒的なのが分かります。留学期間はほんの1年間でしたが、帰国後は「こんなに中国人多かったっけ?」と思いました。以前から銀座あたりに行けば中国人富裕層が多くいるイメージがありましたが、帰国後はある程度大きな街にいけば必ず中国人を見かけますし、その人数も少なくありません。この数字を見て納得です。

韓国は人数こそ2位とは言え、ランキング内での前年比はワーストです。これは国家間の問題が影響してるのかもしれないですね。

そして3位のベトナム、4位の台湾はまだ人数は多くないですが前年比の増加率がとんでもないです。4割を超えています。このペースで伸びれば3年もすれば韓国を追い抜く事になります。人から聞いた話ですが、ベトナムは国が日本への留学に対して力を入れており、それで人数の伸びが大きいと聞いたことがあります。

 

<就職先での職務内容>
①翻訳・通訳 3,190人(24.6%)
②販売・営業 3,122人(24.1%)
③情報処理  1,038人(8.0%)

意外と「販売・営業」が多いので驚きです。なぜならこれらの仕事は間違いなく「日本語能力の高さを求められる」からです。一方で「情報処理」はプログラミング言語ができれば、日本語は後からでOKというケースもあるので納得できる仕事です。

現在私は外資系企業の人事として働いておりますが、外国人や日本人に外資系企業を紹介するエージェントには、外国人営業がいらっしゃいます。もちろん彼らはビジネスレベルの日本語を話をするのはもちろん、日本人なら少しは遠慮すると思われるような状況でも、アピールをしてくるという印象はあります。

中国人の割合の多さから、日本に留学し日本語能力を身に着け就職しているのではないかと思います。中国人の方々は一般的に日本人より個人の主張が強いという印象を持っている人事も多く、採用にその好みが反映されているケースもあります。
確かにしつこい印象を与えるような営業だと顧客は離れて行ってしまうでしょう。しかしお金を稼ぐというひとつの仕事に対するモチベーションを考えると、納得できる結果かもしれません。

 

<月額報酬>
①20万円以上25万円未満  6,230人(48.1%)
②20万円未満         4,162人(32.1%)
③25万円以上30万円未満  1,347人(10.4%)

<最終学歴>
①大学卒業        5,872人(45.3%)
②大学院(修士・博士) 4,483人(34.6%)
③専修学校        2,130(16.4%)

月額報酬③の人達は基本的に最終学歴の②の人達が多いと思われます。そして月額報酬②の人達の多くは③に含まれているでしょう。これは年齢に応じて給料が決まりやすい給与体系も影響していると考えられます。私がインタビューした人も月額報酬①に該当する人が多いです。専修学校に日本語学校が含まれているのかはわかりませんが、最終学歴②が思ったより多く、③が少ないなという印象です。

 

インドネシア人留学生は?

調査項目こそ多くはありませんが、国別のデータがわかるのはとてもありがたい情報です。ちなみに、私が今後関係づくりをしていきたいインドネシアの方たちのデータは下記のようになっています。

○順位 10位
○人数 124人(全体の1%)
○在留資格 ①人文知識・国際業務 ②技術 ③教授
このようになっていました。

10位と全体では上位な感じがしますが、それでも全体に対する割合は1%しかありません。人口規模を考えればこれはまだまだ少ないといえるのではないでしょうか。

大学を訪問した際に話を聞くと、日本の大学と交換留学制度があったり提携をしているものの、主にお金の事情で留学できる学生はまだまだ少ないようです。提携が形骸化しているところもあると聞いています。

今回外国人留学者の実態がわかりましたので、この内容もご報告して行きたいと思います。そしてまずは留学を在学中からしていけるよう、それをサポートしていけるように活動を続けていきたいと思います。次回インドネシアの大学訪問時にはここの部分の情報も聞いて来ようと思います。

他の国の人達はわかりませんがインドネシア人の多くは日本で就職したとしても、長期的に勤務を希望している人は多くないようです。日本以上に家族、人とのつながりが強いのでそれを理由に帰りたい人、結婚が日本人よりも早いため特に女性は年齢の問題もあり、帰国する人もいます。

日本企業としては長期的な勤務を希望する会社が多いため、すぐ辞めてしまう事を懸念し採用を躊躇する会社もあるようです。しかし、日本人でも七五三と言われているように3年以内に3割程度が退職しています。もちろん長く勤めてもらえる事に超したことがないと思いますが、一定期間勤務後退職する事を前提に受け入れる事も今後必要になってくるでしょうし、日本人も終身雇用制度が昔のように成り立っていないわけですから、長期的な勤務をする人は減り、スキルアップのために転職をする人はさらに増えるでしょう。

最近ベトナム人技能実習生に対する調査で、来日後日本のイメージが大幅に下がっている事がわかりました。

「日本の印象良かった」97%→来日後58%に激減 ベトナム人技能実習生調査 龍谷大

これはそもそも技能実習制度に関する問題であり、もちろん日本そのものに対する印象ではありません。技能実習制度自体は問題が多すぎますので抜本的に改革できないのであれば廃止すべきです。そして今後ここに「介護」が入ってくる予定ですから、いっそう問題が発生するのではないかと思います。

現状はまだ日本が経済的に豊かで働くのに魅力的な国である事は間違いないでしょう。しかし、彼らの国々も今後発展し経済的に日本の魅力が薄れても果たして来てくれるのか。日本人がやらない、やりたがらない仕事は既に彼らの力なしに成り立ちませんし後継者が見つからずに廃業するケースも増えるでしょう。

私の活動ではインドネシア人の方々が中心となってしまいますが、日本に来た彼らがもっと日本が好きになってもらえるような活動をしていきたいと思います。